3分講義

読書で得た知識をコンパクトに3分で紹介するブログです。

おなかの中にいたときの記憶は本物か

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その記憶は誰のものなのか

友人やテレビなんかで母親のおなかの中にいた記憶があるといった話を一度くらいは聞いたことはあるでしょう。

もしくは生まれてすぐの記憶や1歳ほどのときの記憶を覚えているなど。

しかし、実際にそんなことはあり得るのでしょうか。

赤ちゃんはまだしもおなかの中にいるときに記憶は形成されるのか。

もし記憶の形成がされないとして、その記憶はどこから来たものなのか。

今日はそんな記憶の話についてしたいと思います。

 

 

最初の記憶は2歳から4歳の間

赤ちゃんが記憶として出来事を覚えておけるかという結論はノーです。

科学的にも2歳から4歳の間で最初の記憶が形成されるといわれています。

またマジックエイジと呼ばれる成人期までに覚えている記憶も3.5歳とされています。

つまり赤ちゃんのときはもちろん、おなかの中の記憶は決して形成されることはありません。

ではなぜ記憶として本人の中にストーリーがあるのか。

それは母親や人から聞いた話をあたかも自分の記憶だったかのようにすり替わってしまったから。

しかし本当に記憶がすり替わるなんてことはあるのでしょうか。

 

 

ディズニーリゾートにバックスバニー

記憶のすり替えを信じれない人のためにこんな実験があります。

 

ディズニーリゾートに行ったことのある人にミッキーマウスと握手したはずだと思わせる広告を読ませます。

すると実際には握手をしていないのにしたと記憶しているのです。

また違う被験者にはバックスバニーと握手したはずだと思わせる広告を読ませました。

これもまた握手をしていないのに握手をしたと思わせたのです。

しかしバックスバニーはディズニーのキャラクターではないので握手なんてできないのですが。

 

こうも簡単に記憶をすり替えることができるのですから人から聞いた話をあたかも自分の記憶にしてしまうのも無理ないですよね。

最近ではこの方法を使ってトラウマの記憶をすり替えることでトラウマをなくす治療法を目指している研究があるそうです。

 

 

今日のテキスト

『脳はなぜ都合よく記憶するのか』